こんにちは!
Minatoです!
カボチャの煮物を作ること、結構難しいですよね?
私は以前、以下のような考察をしています。
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この記事では、カボチャの中心部と皮の部分ではやわらかくなる温度が違う
という結論に至っています。(詳細は過去の記事をご覧ください!)
では、「カボチャの煮物を作るときはどうすればいいのか」
という疑問が生じると思います。
結論から申し上げますと、
「鍋の温度をゆっくりとあげていくこと」
が重要であると考えています。
何故温度をゆっくりあげる必要があるのか、
どうすれば温度をゆっくり上げることができるのか、
解説していきたいと思います!
課題
今回の課題はもちろんこれ!
「美味しいカボチャの煮物作ること!」
美味しいカボチャの煮物の定義としては
- 煮崩れしていないこと
- 全体に火が通ってやわらかいこと
- 味がしっかりとしみこんでいること
の3点で考えていきます!
将来的にはホクホク系の煮物やとろとろ系の煮物を
自由自在に作れるようになることを目指します!
カボチャを煮崩れさせずに加熱するには
何度も書きますが、
カボチャは中心部と皮の部分では火の通る温度が違います。
中心部は約65℃程度、皮の部分は約90℃程度で火が通り
やわらかくなります。
ぐつぐつと100℃で煮込んでしまうと煮崩れの原因となってしまうので
温度は高くとも90℃程度で、沸騰させないことが煮崩れを防止する方法となります。
だったら90℃で加熱してやればいいと考えると思うのですが
初めから90℃で加熱してしまうと、皮と実で火の通り具合が異なるので
皮が実からはがれてしまうのです。
皮が実からはがれないようにするにはどうすればいいのか。
それは60℃程度の温度で加熱する時間を設けることで解決することができます。
カボチャ等に含まれるでんぷん質は約60℃で糊化することがわかっており、
これにより煮崩れしにくくなります。
ただし、糊化した後に加熱しすぎるとが糊化が崩壊することもわかっています。
うどんを茹ですぎると、もちもちした食感がなくなるのと
同じような原理だと思ってください。
つまり、カボチャを煮崩れさせずに加熱するには
60℃程度で温度を保持して糊化させた後に、
90℃まで加熱して皮までやわらかくする必要があります。
ちなみに同じような理由で、カレーに入れるじゃがいも等も
60℃程度の温度で加熱して(糊化して)から入れることで
煮崩れを防ぐことができますよ!
でも、いちいち温度を確認しながら煮物を作るのなんて面倒ですよね?
そこで、今回はゆっくりと鍋の温度を上昇させることで
カボチャを糊化させつつ、皮までやわらかくすることに挑戦しています!
鍋の温度をゆっくりとあげる方法
さて、鍋の温度をゆっくりあげるといっても
どのようにすればいいのでしょうか?
その方法について、少し科学的なお話をさせていただきます。
苦手な方は飛ばしていただいて、結論の部分だけお読みください。
では、鍋の温度をゆっくりあげる方法を、
鍋に出入りするエネルギーで説明していきます。
鍋をコンロ等で加熱すると、火や電気によるエネルギーが
入っていきます。(このエネルギーをAとします)
このエネルギーAは、もちろん火力を上げれば大きくなり
下げれば小さくなります。
また、鍋に入っている水が蒸発するときに
気化熱としてエネルギーが出ていきます。(このエネルギーをBとします)
このエネルギーBは、水が蒸発しやすい、つまりフライパンのように
平べったい鍋のほうが大きくなります。
更に、鍋の側面からも室温との温度差によりエネルギーが出ていきます。
(このエネルギーをCとします)
このエネルギーCは、鍋の側面が広いほど、大きくなります。
鍋の温度上昇に使われるエネルギーは、
鍋に入るエネルギーから出ていくエネルギーを引いた分(A - B - C)
となります。
温度をゆっくりとあげるためには、温度上昇に使われるエネルギーを
小さくしたいので、「大きめの鍋を使って、最弱の火で加熱する」
必要があるという事ですね。
考えてみれば当たり前なのですが、少し長めに解説してみました!
さらに、鍋に水をたっぷりと張ることで、温度上昇をさらに
緩やかにすることができます。
いっぱいに水を張った鍋と、少ししか張っていない鍋では
沸騰するまでにかかる時間が違うように
水が多ければ多いほど、温度上昇はゆっくりになります。
即ち、(ここからが結論ですよ!!!)
「大きめの鍋に、たっぷりの水を張って、最弱の火力で加熱する」
ことで、鍋の温度をゆっくりと上げることが可能になります。
それでは検証していきましょう!
検証
実際にカボチャの煮物を作っていきましょう!
材料
今回は素材の甘さを活かすため、薄めの味付けとなっています!
- カボチャ ・・・1/4個(約500g)
- 顆粒かつお出汁 ・・・2/3杯(出汁300mL分)
- 砂糖 ・・・大さじ1杯
- しょうゆ ・・・大さじ1/2杯
作り方/レシピ
- カボチャは種とワタをとり、適当なサイズに切り分けます。
- 鍋に切ったカボチャを入れ、カボチャが完全に浸る程度の水と
顆粒かつお出汁を入れ、弱火にかけます。
- 1時間ほど時間をかけて、温度を90℃まで上げます。
ゆっくりと温度を上げることができています。
水分が気化することで温度が上がりやすくなるので、
温度が上がりすぎるなと感じたら水を足してください。
- 皮までやわらかくなっていることを確認し、
砂糖としょうゆを入れて2~3分ほど加熱をしたら火を止めます。
- 落し蓋をして、1~2時間ほど放置して、味をしみこませます。
- 完成!
考察
さて、今回も考察をしていきます。
毎日の料理しても、料理がなかなかうまくならないのは考えていないから!
どうすればうまく作れるのか、何が良かったのかを考えることで
確実に上手になっていける!(と信じています)
良かった点
今回の良かった点は、何よりも簡単だったこと!
煮るのに時間がかかるとはいえ、カボチャを切って入れたら
後は放置するだけで完成するので、誰でも作れるのではないかと思います!
また、煮崩れなく煮ることもできたので、そこそこ満足しています。
悪かった点
皮までほぼやわらかく作ることができたのですが、
本当に皮の表面の部分の食感が、少し気になる出来でした。
もう少し長く煮ればよかったのか、もう少し温度を上げればよかったのか
検証する必要がありそうです。
また、カボチャによっては皮が実からはがれそうになっているものも
ありました。
やはり、ゆっくり温度を上げるだけでは糊化が不十分だったのかもしてません。
しかし、うまく煮えているものもあるので、カボチャのサイズを
小さくカットすることでうまく糊化させることができるのではないかと
考えています。
最後に
今回はカボチャを煮崩れさせることなく煮る方法について解説しました!
その方法とは、
「大きめの鍋に、たっぷりの水を張って、最弱の火力で加熱することで
鍋の温度をゆっくりと上げる」
ことです。
もちろん、鍋のサイズ・水の量・コンロの種類によって温度の上昇の仕方が
変わってきますので、各ご家庭で調整が必要にはなりますが、
ゆっくり加熱することで煮崩れを防ぐことが可能です!
是非試してみてください!
煮崩れさせない方法については確立できてきていると思うので、
今後は煮物自体のクオリティを上げていきたいと考えています。
カボチャの選定方法や調味のタイミングなど、色々と検証していく予定ですので
お楽しみに!
それでは、また!